アルフレッドアドラーの思想を伝える「嫌われる勇気」の続編。「幸せになる勇気」は親や教育現場に携わる全ての人に読んでほしい一冊。

幸せになる勇気

今回の最大のテーマは「自立」

この本は
哲人と教員になった青年が教育現場で直面するリアルな問題を通して、
子供達が、大人に何を訴えてきているのかを理解するところから始まります。

子供達の問題行動の5段階

子供達は、大人の気を引くために、行動を変えていく。
その行動にはステップあり、それぞれに目的がある。

▪️第一段階・・・・・称賛の要求(褒めてほしい)
【特徴】いい子を演じる、やる気や従順をアピール。
【目的】あくまで褒められること。
【心理】いい事をしているのでなく、褒められる事をし、自分の地位を得ようとしている。
【行動】褒められる為に、カンニング、偽装工作をする場合も。

▪️第二段階・・・・・注目喚起(目立ちたい)
【特徴】悪い事でも、叱られる事でもいいから注意を引きたい。
【目的】あくまで目立つ事。
【心理】正攻法が上手くいかない。いい子がダメなら悪い子として注目され確固たる居場所を得ようとしている。存在を無視されるくらいなら叱れる方がまし。
【行動】学級の道化的人気者。勉強できない、忘れ物が多い、よく泣く、授業の妨害 など。

▪️第三段階・・・・・権力争い(誰にも従わない)
【特徴】挑発を繰り返し戦いを挑む。
【目的】自分の力を証明したい。
【心理】誰にも従わない事で力を誇示し特権的な地位を得ようとしている。
【行動】反抗、口汚い言葉で罵る、カンシャクを起こす、暴れる、万引き、喫煙など。また消極的な子はどんなに叱られても勉強をしない。拒絶。無視など、不従順になって挑んでくる。これは勉強をしたくない訳ではなく、不従順で自分の力を証明したい。

▪️第四段階・・・・・復讐(憎まれてでも繋がりたい)
【特徴】1、2、3段階でも叶わないのであれば、いっそ憎まれたいと考える。
【目的】憎しみという感情の中で注目されたい。
【心理】憎まれているという一点でつながろうとしている。
【行動】相手が嫌がることをひらすら繰り返す。ストーカー行為、自傷、引きこもりなど。

▪️第五段階・・・・・無能の証明(これ以上私に期待しないで)
【特徴】あからさまに愚者を演じ、何事にも無気力。
【目的】これ以上傷つきたくない。
【心理】これ以上の絶望を経験しない為にあらゆる課題から逃げ回る。失敗するくらいなら諦めた方が楽。願いは、何も期待しないでくれ、私に構わないでくれ、私を見捨ててくれ。
【行動】 課題に取り組もうとする自分、物事を考えようとする自分に対して自らブレーキをかける。

第一、二段階まではとてもシンプルで、誰もが通る道だが、
第四・五段階まで進むと専門家でもとっても困難な状況。

子供は、家庭と、先生とで、それぞれ別の目的を持って行動しているので、大人は自分に向けられた行動に対して、対処して行く事になる。

と、ここまでは、子供たちの話。

でも、この本の本題はここから。

大人になってもこのスタイルを繰り返す

子供の時にしてきたこの問題行動は、「愛される為に身につけたライフスタイル(王道パターン)」となって、いつまでも繰り返している人が多い。

教育者になるために一生懸命勉強してきたとしても、親になって、沢山の子供の世話をしてきた人でも、その人間が大人としての対応ができているとは限らず、

無意識に、自分の弱さや辛さ(不幸、傷、不遇な環境、トラウマ)等を武器として、周りの人に、心配させ、言動を束縛し、支配しコントロールしようとしてしまう

どんな形であれ、このライフスタイルを続けていれば、他者から注目を集め、自分を「世界の中心に置く」事ができるとわかっているからだ。

このライフスタイルを持つ大人達に育てられた子供達は、支配やコントロールに翻弄されながら、その人(教員・親等)に気に入るように行動するようになり、その子らしさが失われていくことになる。

自立とは経済的な問題ではない

青年は、こうした哲人との会話を通して、陥りがちなアドラーの思想への誤解と、
自らがライフスタイルを持っていた事に気づいていく。

「自立」とは、経済的な問題でも、就労的な問題でもなく「自己中心性からの脱却」。

誰かの子供としてのライフスタイルで止まっている内は、「他者から認められる事」を目的に「他者の望むわたし」の人生を歩んでしまっている。

そうなると他人からの評価でしか、自分の価値を感じる事ができないため、
ありのままの自分を受け入れられず、絶え間ない不安に苛まれる。

不安だから愛される事ばかりに意識が向き、自分を愛せず、他者を愛する事ができない。自分を信じる事ができないから、他者を信じる事ができない。

教育の現場で、教室は荒れ、生徒との関係にも行き詰まった原因は、
彼自身が他者に認められようと、上辺だけでアドラーの思想を取り入れてしまった事。心は自分にあり、生徒達に向けられていなかった事にある。

青年は、この思考グセを認め、ここから抜け出すために、自らが変わる決心をする。

最後に

この本は、親、教育現場に携わる人はもちらん、
人生に行き詰まりを感じている人、職場、家庭、友達、恋人との関係に不安を感じている人に是非とも読んでほしい一冊です。

前回の「嫌われる勇気」では、
人生において他人の課題を切り離す「課題の分離」が必要である事。
叱っても褒めてもいけない新しいアプローチ「勇気づけ」が人を成長させる事。

そして、今回の「幸せになる勇気」では、
シンプルに見えるアドラーの思想は、実践できるまでには、長く険しい道のりが必要な事。
教育の目的は、経済的な問題とは違う「自立」である事。
教育者(親も教師も)はカウンセラーとして子供を「再教育」する立場にある事 等、

今まで読んできたアドラー心理学の中でも、腑に落ちる内容が多い本でした。

私自身も「自立」が出来ておらず、誤ったライフスタイルをずっと続けていました。
その悪影響は、一番身近な娘に向かい、ずいぶん苦しめていたようです(^◇^;)。
あれから3年。どんな手段を用いても、何も変わらなかった娘は、私が変わろうと決心してから、嘘のように元気になりました。まだまだ、私の治せない思考グセは多いのですが、これからも、歩みは止めず進んでいくつもりです。

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