予想を上回る結論に導く。青木 将幸さんが考えるファシリテーションの極道に触れた時間。


日本一の師匠から盗む、ファシリテーターの極道!
~マーキーこと青木 将幸さんのファシリテーション講座~
に参加した時の話。

青木将幸さんは、
家族会議から国際会議まで、
20年以上に渡るファシリテーションの経験と知識を持つ。

ファシリテーターに興味があった私は、
友だちである中島さゆりさんの企画であるという事と、
タイトルの面白さに惹かれて、参加を決めた。

中島さんは、メンタルコーチ、ファシリテーター
ノルディックウォーキング・インストラクターでもあり、
みんなからは極ちゃんという愛称で呼ばれている。

だから、今回の企画にも、極という字が含まれる。
でも極意だと普通だから、あえて極道にしたと。
「日本一の師匠」としたのは、
私は青木さんしか知らないから日本一なの!
と明るく言っていた。

彼女のこうゆうセンスが、なんとも好き。

極ちゃんとマーキー、フランクフルトから帰国する
飛行機でたまたま隣同士になって、
話すうちに、意気投合して、この講座を企画したらしい。

ファシリテーターとは、
集会・会議などで、テーマ・議題に沿って発言内容を整理し、発言者が偏らないよう、順調に進行するように口添えする役。議長と違い、決定権を持たない。

どうしたい?

さてどんな話が聞けるのか、
そんな思いで参加した講座。

会場に着くとまだ会場設置が何もしていない。

そこで、マーキー(青木将幸さん)からみんなに質問!

「今日の講座はどんな形態でやりたい?」

会議室は大抵、前側は決まっているものだけど、
そんなものは関係ない。

その日にくる人、講座の内容によって、

机形式、床座り、円形、斜め、後ろ向き、
何でもありというわけ。

沈黙

結局その場の雰囲気で円形から始まった講座。

席に着くと、
マーキー、すわったまま
何もしゃべらない。

ずっとしゃべらない。

参加した人達の頭の中は、おそらく

「?」

その後もしばらく沈黙が続いた後に
一人の女性が喋りだした。

「私、今日ここに来ている方の自己紹介が聞きたいです」

マーキー、
「なるほどね。では、自己紹介しましょうか?
何が聞きたいですか?」

「職業とか、どこから来たかとか、講座参加の目的」

「なるほど、職業は、言ったことによって1つの
フイルターを通すことになる。
なので、言いたい人は言ってください。」

つまり、この講座を
一人の人間として参加するのか、
○○の人間として参加するのか。

「なんでもいいので好きな人からどうぞ」

教えられる

どうやら、この講座は、
資料はおろか、流れは何も決まっていないらしい。

マーキーはこのやり方で
私達に何がいいたいのか。
どうしろと言っているのか。

自己紹介を聞きながら考えていて、

「なるほど」と理解した。
タイトルにその理由が書かれている。

【日本一の師匠から盗む】

教えてもうらのではなく、

盗む。

これはこの講座で知りたいことを
自分で盗めということ。
こちらから聞かなければ、何も始まらない。

遠慮している場合ではない!
そう思った。

質問開始

ここから、一部の人から
質問が始まり、その内に参加者全員が
この講座の進め方を理解した。

自分は何をこの講座で得ようとしているのか、
何も持ち帰りたいのか。

自分でお金を払って来た講座。

その目的はなんなのか、
質問することは全て応えるよ、
というマーキーの姿勢。

面白い!

ここから参加者からの
怒涛の質問が始まった。

普段なら聞けないような
失敗の話、お金の話、手法の話まで色々。

まさに、参加型、
一人ひとりがファシリテーターとして
リードするのもありの講座。

講座をつくっているのは私達

こうしてまる一日の講座は

私たちの質問によって
どんどん進み、

予定など何もない状態から、
構成も内容も参加者によって作られていく。

上辺の質問をすればそれなりの答え。
深くを望めば深くなる。

参加者の意欲によって
形も内容も変わっていく。

講座で得たもの

マーキーが言いたかったこと。

会議は参加者全員が主役。
講座は参加している私達が作る。

ファシリテーターは、
無理に動かそうとせず、
動き出すのを待つ。

動き出したら、その流れが
止まらないように流していく。

答えは私達が持っている。

そして、マーキーは
私達にそれができると信じている。
場の力を信じている。

この心理、理想の親像だね。
子供を信じ、いちいち発言内容に良し悪しをつけず、
心の奥にある思いを探る。
その子の持つ力をただ信じて、耳を傾ける。
中々できる事じゃない。

予測を超えるには

予測を超える新しい発想が欲しかったら
持っていきたい方向を持つ人が
ファシリテーターになってはいけない。
それは予測可能な結論に至るだけ。

それでは、新しいものは何も生まれない。

ファシリテーターとは、
無の精神で、参加者から予測できなかった考え方を引き出す人。
決して主役にはならず、脇役となり、
参加者全員がおのおの考え、答えに辿り着く手伝いをする人。

脇役でありながら、
その人がいるから、場がまとまり、
参加者は、考え、発言する。
すべての人に対して中立だから、
上下関係なく、普段言えないことも口にでき、
そこから、予想を上回る新しい発想が生まれる。

ファシリテーターって奥が深いね。
これは、少し勉強しましたでは、できない世界。

きっと、違うスタイルを持つファシリテーターは
たくさんいると思うけど、
なんだかとても不思議な、
あとでジワジワくる仙人のようなファシリテーターこと、
マーキーの講座でした。

Marky on the WEB~ 青木将幸ファシリテーター事務所 ~