「最高に贅沢な食事」の話。

以前、ゴールデンウィークに長野の実家に帰った時の昼食。
小さい頃から当たり前に食べていたメニュー。

1、畑の採れた大根で作った父のたくあん
2、畑で採れた野沢菜古漬けの炒め物
3、畑で採れたジャガイモとネギのお味噌汁
4、山で獲れたタラの芽とウドの卵とじ
5、山で獲れた山椎茸の素焼き
6、山で獲れたゼンマイの炒め物
7、親戚のおじさんが育てたお米

買ってきたものが(わかめと、調味料以外)一つもない。
(普段はちゃんとお肉も食べる)

オシャレじゃないけど

彩りも地味だし、器も決してオシャレじゃないけど、
昔から慣れ親しんでいる実家の味。

私は子供の頃から、季節毎にできる野菜と、
山菜を食べて育ってきた。

父が採ってきて、母が料理、
山菜料理は、まさに私の家庭の味。

母が62歳の時に病気になってからは、
母の指導を受けながら、父が料理の腕を磨いた。

そして、今では「父の作る料理が一番美味しいかも」
と私は密かに思っている。

特に、金平ごぼうは油と醤油しか使わないのに、
何でこんなに美味しいのか、いつも不思議なくらい。

米ぬかと藁で土壌作り

春になると、畑を耕し、様々な野菜の種を蒔き、
ゴールデンウィーク時期は、毎年トマトの苗を植える。

米ぬかと藁で毎年土壌を作り、農薬は一切使わない畑。

秋には毎年食べきれないほどの野菜を収穫し、
余ったら、近所の人に配ったりしている。

甥っ子や姪っ子は「じいちゃんの作る野菜が一番美味しい」と言って、
採りたてトマトやキュウリを、畑でそのまま食べる。

畑で採れる野菜は他の味付けなどいらないくらい美味しい。

本当の贅沢って

高校生の頃、母の作ってくれるお弁当は、
茶色のおかずばかりで、何となく見栄えがしない。

同級生の可愛いお弁当を横目に、羨ましいって思ったけど、
今思えば「手間暇かけた贅沢なお弁当」だった。

そして、2ヶ月後は待ちに待った
ゴールデンウィーク、

私はこの料理が食べたくなって、毎年実家に帰る。

今の季節なら、セリや筍が取れている。
そして、4月〜5月初旬はタラの芽が主役。

6月を過ぎれば、桑の実の季節だ。

独特の苦味があるセリのおひたし食べたい。。。
採りたてやわらか筍食べたい。。。
手と舌を紫色にして桑の実を食べたい。。。

秋には、きのこ、アケビ、栗、くるみ、
子供の頃、当たり前に食べていたもの。

きっと、海で育った人は、海の幸、
山で育ったわたしは、山の幸、

小さい頃に食べた自然の物が、
これ程贅沢な食べ物だったなんて、

中々自然の物が手に入らない都会で暮らして、
ようやく気付く。