もう学校には行かないと宣言された中1の夏

突然の宣言

忘れもしない。

中1の夏休みが終わる1週間前。

学校の先生から職場に電話があった。

「今日は登校日ですが娘さんはどうなさいましたか?」
「えっ?今日は登校日だったんですか ?」

なんと、私は登校日である事を知らなかった。

「すぐに確認して電話します」

家に電話すると、娘が出た。

「今日登校日だって聞いたけど、どうしたの?」
「知ってる」

「今から行きなよ」
「行かない」

「なんで?具合が悪いの?」
「そうじゃない、もう学校には行かない」

「?…どうゆう事?」
「そうゆう事」

意味がわからない。

「とにかく、家に帰ったら話そう」と言って電話を切ったけど、
何が起こっているのか、わからない。

頭が真っ白になった。

その2週間前まで吹奏楽部の部活で大会にでて頑張っていたのに。

一番近くにいたはずなのに

兆候さえも、気づいていなかったし、
食欲が落ちていた事も夏のせいにして、
私への横柄な態度も反抗期だと思い込んでいた私に、
突然降ってきた、晴天の霹靂のような宣言だった。

本当は、色んな所にSOSが出ていた。
晴天の霹靂なんかじゃなく、気にかけていなかっただけ。

今なら分かる。

一緒に暮らして、一番近くにいながら、登校日すら知らない。
私は娘に無関心な母親だった。

家に帰ってから、

何か学校で嫌な事があったのか?
宿題やってないから?
友達?先生?私?
思いつく事は尋ねてみたけど、「ちがう」の一点張り。

「自分でもわからない。ただもう学校はいかない」

それぞれの家族の選択

こういった状況に陥った時、
家庭によって、判断が異なる。

あの時、
私には、無理やり行かせるという選択はできなかった。

何が起こっているのか分からなかったし、
能面のような顔、最近のおかしな行動、そして、あまりにも娘の決心が固かったから。

夏休みが終わり、娘は宣言通り学校には行かない。

学校に相談しに行ったり、働きかけてもらったりしてみたけど、娘の意思は変わらない。

泣きたいのは…

少し落ち着いて話せるようになった頃、飲み友に「娘が学校に行かなくかったんだ」とつぶやいてみた。

「おまえは甘い所あるからな」

どんな言葉でも良かった。
その言葉をきっかけに、涙が溢れ出した。

学校にいかなくなってから、はっきりした理由がわからないまでも、自分を責め続けていたし、
心に溜まったグルグルしたものが、一気にでてきた。

声を上げて泣いたのは、小学生以来かも。

しばらく泣いて、少しスッキリした所で、家に帰って、娘の無表情な顔を見たら、また泣けてきた。

恥ずかしいくらい子供のように号泣(T . T)。
そんな私を見て、娘は子供をあやすかの様に背中をトントンしてくれた。

泣きたいのは娘のほうだったのにね。
ここでも子供と大人が逆転していた。