【家系図】家系を辿る旅 Vol.2~私の知らない二人の女の子~


昨年の8月、父の新盆は偶然にも私の誕生日。

朝早くに家族でお墓参りに行き
みんなでお墓周りを掃除をしていた時、

大きな墓石の周りに置かれている平たい石に叔母の名前を見つけた。
そこには私の祖先となる歴代の人達の名前が書かれていて、

そういえば、ちゃんと見たことなかったなと思いながら、改めて一人一人の名前をじっくり見ていたら、

一番奥にある石に「枝」という漢字が付いた名前があることに気付いた。

「あれ?誰だろう?」。

父と同じ並びにいるこの2人の女性。
なんか心臓がドキドキした。

順番からして、父の姉にあたる場所に書かれている。

近くにいた兄に声をかけ
「ねえ、お兄ちゃん、この二人の女性の事知ってる?二人とも私と同じ漢字が使われているの」

兄も駆け寄り
「ほんとだ。誰だろう」

そして、兄と二人で、亡くなった日付を見て理解した。

二人は父が生まれる何年も前に、それも同じ日、4歳と2歳で亡くなっている。

私の思考はそこで静止し、帰路の車の中でもほとんど上の空状態だった。

頭から離れない

明治、大正、昭和初期の時代。
医療も今ほど発展しておらず、新生児や幼い子供たちが亡くなるのはそんなに珍しい事ではないと聞いたことがある。

それでも、二人とも同じ日に、
そして、私と同じ漢字が使われている女の子。

その日は、家に着いてから、偶然だよねと納得しようと思ったけれど、
長野から東京に帰ってからも、ずっとこの二人の名前が頭から離れない。

もしかしてスペイン風邪?それとも空襲?色々調べてみたけれど
亡くなった年に、それらしきニュースは見当たらない。

この家系に、何があったんだろう。
それに、なぜ父は亡くなった姉と同じ漢字を私に使ったんだろう。
そんな疑問は、私が幼いころから家族に感じていた「違和感」に触れてる気がした。

頭から離れないのなら、ダメ元でいいから自分で調べてみよう。

そう思い立ち、私はすぐに父の3つ上の姉に手紙を書いた。

墓石に書かれている二人の姉の事、父の事、好美叔母ちゃんの事。
好美叔母ちゃんの娘の事。
知っていることがあったら何でも教えてほしいと。

父の姉に会いに行く

手紙を書いてから数週間後、私は再び長野に向かった。

父の姉は、身体の調子が悪いにも関わらず、
快く家に迎え入れてくれて、

墓石に書かれていた二人の姉については
「実はね、私も二人の事を知らなかったのよ。
正枝ちゃんの手紙で初めて知って、私も驚いているし、何があったかわからないの」と。

すぐに、私の疑問は暗礁に乗り上げたけれど、

ただ、子供の頃、親戚の人が話していたうわさを耳にしたことがあると、その話を聞かせてくれて、その内容はとても切なく悲しい話だった。

「今となっては、それがこの二人のことを言っていたのかもわからないの。ごめんね」叔母はすまなそうに私に言った。

それにしても、墓石にずっと名前があったにも関わらず、
この二人の事を姉すらも知らなかったこと。

そして、父は知ってか知らずか、私に同じ漢字を使ったこと。
その二つの事実は、私に何かを伝えている気がして、

何よりも、私が調べようと思わなかったら、
この二人の存在がなかったことになってしまいそうで、それがなんだか悲しくて、私は二人を覚えていたいし伝えたい。
ただ、純粋にそう思った。

叔母からは、家系にまつわる明確な情報は得られなかったけれど、
父が子供の頃、飛行機が大好きだったことや
やんちゃだったけど、ほんとに弟はやさしかったと、うれしそうに教えてくれた。

妹である好美おばちゃんの話は、父と同じで、あまりいい話はなく、
姉としても不思議なくらい実家には寄り付かず、娘の名前もしらないし、家をでてからは何をしているのかわからない人だったらしい。

叔母もまた千葉で行った葬儀の時に娘らしき姿を見たけれど、
やっぱり話をするでもなく、ただ「キレイな娘さんだったわよ」とそれだけを教えてくれた。

私の疑問は解けなかったけれど、
久しぶりに二人で話した時間はとてもやさしい時間で、直接会ってゆっくり話が聞けて本当によかった。

父の姉は、結婚前から母の親友。

私の知らない若い頃の父と母を誰よりも知っている人。
そして、私の両親の人生を豊かにしてくれた人。

感謝を伝え、「また、お邪魔しますね」
そう言って、その日は叔母の家を後にした。

私の友達

叔母の家を出た後、懐かしい街をブラブラ歩いていたら、

小学校からの友達の家が近いことに気付き、
「長野にいるんだけど今どこにいる?」とラインメッセージを送ってみた。

しばらく待ったけど、残念ながら返信はなく、あきらめて帰ろうとした時、
彼女からの連絡。

夕方には合流して、色々な話をしていたら、
「ところで、こんな時期になにしに長野にきたの?」と聞かれ、

「笑われるかもしれないけど、家系を調べようと思ってさ。
家系図を作るために明日は役場を巡って戸籍を全部集めるつもり」

そしたら彼女、笑うどころか
「へえ~、そうなんだ。じゃ、私一緒に行こうか?」って。

「えっ、何で?」

そう聞くと、

子供の頃と変わらない、いたずらっぽい笑顔を浮かべ、
「私を誰だと思っているの?どこで仕事していたと思っている?」

そう言われて気が付いた。

彼女は役場で30年近く勤めていた戸籍業務の経験者だ。

「家系図を作りたいっていう人、結構いるんだよ。特に女性に多い。
私に連絡してきたのも何かの巡り合わせ。それに偶然にも私明日一日空いているのよ」

驚きと戸惑い、無意識に、こんな心強い助っ人に連絡した私ってすごい!
そして、何より、彼女が快く引き受けてくれたことに心から感謝して、

翌日から彼女との戸籍をめぐる旅が始まった。

次は、友人との一日と家系図着手までの道のりに続きます。

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