娘の心を壊してしまった私のなにげない行動と発言。 親がありのままの子供を認める難しさについて。

娘、現在18歳。

今は、言いたい事を言えるようになってきて、
タジタジの私だけど、

ほんの5年前、
中1娘の姿はこんなだった。

音にものすごく敏感
ビクビクしてる
表情が能面。
廊下を行ったり来たり歩き続ける。
時々ハイテンションになり自分の好きな事だけ話す。
髪で顔を隠す
会話が続かない。
話しかけられたらにらむ。
黒い服しか着ない
独り言を言って笑ってる
食に関心がない

何を聞いても低い声で「わからない」
行きたいところも、食べたい物も、欲しいものも
なんにもなくて、ただ、ひたすらパソコン。

娘が不登校になって、
特に理由はないけど、学校に行きたくないと言った頃の娘。

訳が分からなくて、
あの手この手と色々試して見たけど、
なんの効果もなくて、本当にさっぱり理由が分からなかったし、

こんなに大切に育てて来たのに、
何でこんな風になっちゃうの?って思ってた。

問題探し

カウンセラーにも、心療内科にも連れて行った。
その他にも思い付くものは全部試してみたけど、
ほとんど効果は感じられない。

娘を知る、何人かの人に、発達障害(アスペルガー)じゃないかと、
言われ、診断も勧められた。

確かに、普通の中学生とは様子が違うし、
行動だけ見たら、疑われても仕方がない。

でも、結局診断には行かなかった。

私の性格上、

ここで、発達障害と診断されたら、
ホッとしちゃう自分がいるなと思ったから。

貴方の育て方が悪い訳じゃないよと
誰かに言って欲しくてたまらない自分に
格好の理由が出来てしまう。

何だかどんどん様子がおかしくなっていく娘。

ただでさえ困惑しているのに、
ずっと付き合って来た友人からも
育て方が悪いだの、お父さんがいないからだの言われ、
四面楚歌状態。何だかとっても孤独だった。

もし、この状態で「発達障害です」と診断されたら、
私はあらゆる時に、これを言って周りの人に、
理解してもらおうとするだろうな。

「(私が悪いんじゃなくて)発達障害なんです」と。

それを言ったら、自分は救われる。
だけど、
その度に、娘に「貴方は障害のある人間なのよ」と
遠回しに、言い続けることになる。

それは、なんか違うよねって、
パソコンしてる娘を見ながらそう思った。

私が見ていた娘の姿

もし、娘が元気だった頃、
娘さんてどんな人?って聞かれたら、

明るくて、さっぱりして、元気な外交的な子。
って言ってたと思う。

でも、本当は違ってた。

とても繊細で、自分の世界を大事にする
どちらかと言うと内向的な子。

家にいるのが大好きで、
神話やアニメ、ゲームや空想の世界が好き。

そんな姿を見ては、
外でもっと遊びなとか、
ゲームの何が楽しいのかさっぱりわからないとか、

その話に興味ないとか

学校で傷つく事があったと言われても、
そんな事気にするな。

傷ついた気持ちも受け止めようとせず、
聞き流していた。

さらに、仕事が忙しく疲れている時は
不機嫌丸出し。

それでも、大丈夫だって思った。

だって、
私の娘は、
明るくて、さっぱりして、元気な外交的な子。
のはずだから。

ことごとく、娘の個性を無視して、
私が望む娘像にしようとしてた。

当時は、それが、コントロールだなんて
意識もしなかったし、人生を楽しく生きる秘訣を教えなきゃって、

表向きいい人を演じている
本当に、一言で言ってひっどい母親だった。

娘の限界

全く違う姿を望む母親の気持ちに応えようと、
頑張ってきた娘は、自分じゃない人を演じているうちに
自分がわからなくなっていった。

そして、操り人形の糸がプツンと切れたかのように、
ある日突然、本当に、突然と思える程、
無気力人間になった。

私にも原因があるだろうなと、
なんとなくは感じながらも、

その事に気づくまで(腑に落ちるまで)には、
2年もの時間を費やして、

その間、
いいカウンセラーに出逢えば、回復してくれるはず、
心の内を話せる人がいれば心が軽くなるはずとメンタルフレンドも頼んで、

私はといえば、カウンセリングにかかる月々の費用を稼ぐために
さらに、働かなきゃいけない状態におちいり、

一向に回復しない娘に、またイライラして….

それでも、立ち止まれず、
いつか、誰かが、何かのきっかけが、
解決してくれるはず、そんな思いだった。

今考えると、自分でも呆れるくらいの悪循環。

娘が必要としていたもの。

そんな毎日を繰り返し、ある時娘が倒れた。
夜中に救急車で運ばれて、診察室のベッドで点滴。

待合室で待っている間、
疲れ切った顔の私を見て、
小児科医の先生が話しかけてきてくれた。

「夜中に運ばれてくる子供たちは
大抵、精神的なもの。親子関係に問題がある場合が多いんですよ。

お互いが好きなのに
求めていることが違うのかもしれませんね。」

とても穏やかに、私を非難するでもなく、

「また、具合が悪いと言ったら、いつでもいらして下さい。
その為に私たちがいるんですから。」と。

そんな言葉に体のチカラが抜けて、
親子間の問題なのに、外部の人にばかり頼っていた自分に気づいた。

娘に必要なのは、カウンセラーでもメンタルフレンドでもなく、
私なのかもしれない、

ああ、問題なのは私の方だ。

妙に腑に落ちた。

その時、やっと、私が娘と向き合わなきゃダメなんだ。
そう思えた。

ここから、娘との関係がゆっくり再構築されて行く。
まさに、猛省の日々(^^;;
その話はまた後日しようと思う。